世界はひとつ

イッツ・ア・スモールワールドが改修を終え、装いも新たにお目見えするという。

私が初めてTDLに行った時、イッツ・ア・スモールワールドは、田んぼと豚小屋しかないところで育った田舎娘が初めて見た世界の姿で、夢の国をギュッと詰め込んだようだと、キラキラした世界にただただ興奮していたものだった。次に乗ったのは大学生になって当時お付き合いしていた彼氏と。こども向けの白々しい演出は、ひねた大学生には退屈なだけだった。

そして、改修前に家族で乗った小さな世界、船旅が終わった後、私は泣いていた。なんで泣いているのかをこどもたちに説明しようとして、さらに号泣してしまった。

未だにうまく説明がつかずにいるけれど、今回の改修のニュースに触れ、また目の奥が熱くなってくるのを感じる。


こどものころに夢見た世界がただの夢物語だと思い知らされた儚さなのか、毎日のニュースに絶望的な気持ちになっても、世界はひとつと無邪気に歌うこどもたちにそれでも希望を見出しているのか。

年をとって涙もろくなった、ただそれだけのことかもしれないが。